2017年3月6日月曜日

「中国百科 文化・芸術編」科挙の詩人たちと詞

宋代の詩人たち

はじめに
唐も終わり、五代十国の時代を経て成立した宋代に入ると、科挙制度が定着し優秀な官僚でもあり、優れた詩人たちを輩出した。

晩唐詩
晩唐の代表的詩人には杜牧・李商隠がいる。

北宋の詩人たち
宋詩の特質はその理性と知性にあり、唐詩のような奔放な心情の吐露は影を潜める。題材も日常の些細な出来事を冷徹に詠むことが多<なる。欧陽惰・梅尭臣がこうしたそし詩風のさきがけとなり、その後王安石と蘇軾が現れる。
  • 蘇軾は宋を代表する詩人であり、政争による度重なる流れにも屈しない、楽観的な逞しさが、その詩にも明朗闊達な趣を与えている。
  • 弟の蘇轍、字は子由
  • 蘇軾の門下黄庭堅は宋詩の理知性を最もよく代表し蘇軾とともに「蘇黄」と併称される。

南宋・金の詩
金に北方を占領され、臨安に遷都して以降を、南宋と言う。南宋第一の詩人は陸游で、愛国や閑適などを題材とした、一万首に近い詩が今に伝わる。
  • 金では、元好問が杜甫の影響を受け重厚な詩を作った。元以降、その時代を代表する傑出した詩人が現れることはついになかった。

詞とは詩余とも呼ばれ、唐代に始まり、宋代に絶頂を迎えた歌辞文芸である。
  • 晩唐の温庭筠から独自の発展を始めた。
  • 五代には詞選集『花間集』が編纂され、南唐の国主李璟・李煜父子らの宮廷で詞が栄えた。
慢詞
詞牌と呼ばれる既存の楽曲に後から歌詞をつけるので、一つの楽曲に複数の歌詞が存在する。詩と異なり、一旬の字数が長短不揃いなのも特徴の 1 つである。
  • 北宋では、それまで詞の主流だった短編の「小令」に加え、長編の「慢詞」が作られた。
  • 慢詞の達人には柳永がおり、また蘇軾は、艶っぼい作品の多い詞の世界に詩の題材を持ち込み、新境地を開いた。
  • この他、典雅な慢詞を作った周邦彦、女性詞人李清照、南宋の辛棄疾らがいる。
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